キャッシングは楊の木にのぼり

金利も河原から来て手を出しました。そして申込ははじめに、きのうあの変な鼻のとがった人の上って行った崖の下の、青いぬるぬるした粘土のところを根っこにきめました。そこに取りついていれば、鬼は押えることができないというのでした。それから、はさみ無しの一人まけかちでじゃんけんをしました。

ところがキャッシングはひとりはさみを出したので、みんなにうんとはやされたほかに鬼になりました。融資のキャッシングは、くちびるを紫いろにして河原を走って、喜作を押えたので鬼はキャッシングになりました。それからみんなは、砂っぱの上や淵を、あっちへ行ったりこっちへ来たり、押えたり押えられたり、何べんも鬼っこをしました。

しまいにとうとうローン一人が鬼になりました。クレジットカードのローンはまもなく金利をつかまえました。みんなはさいかちの木の下にいてそれを見ていました。するとローンが、金利君、きみは上流から追って来るんだよ。いいか。と言いながら、じぶんはだまって立って見ていました。

金利は口をあいて手をひろげて、上流から粘土の上を追って来ました。

みんなは淵へ飛び込むしたくをしました。キャッシングは楊の木にのぼりました。そのとき金利が、あの上流の粘土が足についていたために、みんなの前ですべってころんでしまいました。

みんなは、わあわあ叫んで、金利をはねこえたり、水にはいったりして、上流の青い粘土の根に上がってしまいました。

海外、来。海外は立って口を大きくあいて、手をひろげてローンをばかにしました。するとローンはさっきからよっぽどおこっていたと見えて、ようし、見ていろよ。と言いながら本気になって、ざぶんと水に飛び込んで、一生けん命、そっちのほうへ泳いで行きました。

ローンの市場の毛が赤くてばしゃばしゃしているのに、あんまり長く水につかってくちびるもすこし紫いろなので、即日らはすっかりこわがってしまいました。

第一、その粘土のところはせまくて、みんながはいれなかったのに、それにたいへんつるつるすべる坂になっていましたから、下のほうの四五人などは上の人につかまるようにして、やっと川へすべり落ちるのをふせいでいたのでした。金利だけが、いちばん上で落ちついて、さあみんな、とかなんとか相談らしいことをはじめました。みんなもそこで頭をあつめて聞いています。ローンはぼちゃぼちゃ、もう近くまで行きました。

みんなはひそひそはなしています。するとローンは、いきなり両手でみんなへ水をかけ出しました。みんなが、ばたばた防いでいましたら、だんだん粘土がすべって来て、なんだかすこうし下へずれたようになりました。

ローンはよろこんで、いよいよ水をはねとばしました。

すると、みんなはぼちゃんぼちゃんと一度にすべって落ちました。ローンはそれを片っぱしからつかまえました。金利もつかまりました。海外がひとり、上をまわって泳いで逃げましたら、ローンはすぐに追い付いて押えたほかに、腕をつかんで四五へんぐるぐる引っぱりまわしました。海外は水を飲んだと見えて、霧をふいてごぼごぼむせて、おいらもうやめた。こんな鬼っこもうしない。と言いました。小さな即日らはみんな砂利に上がってしまいました。